暑い季節に冷えたビールって飲みたくなりますよね!
最近は、安くビールを提供する店が増えています。
なぜ価格を下げることができるのでしょうか?
そのヒントは原価にあります。
今回は、色々なお酒の原価をまとめてみました。
そもそも原価って?
原価とは商品やサービスの製造にかかった費用のことです。
この費用には仕入れ・製造・外注・人件費などが含まれます。
原価率と計算式
原価率とは売上に対する原価の割合を指し、原価÷売上高×100で計算できます。
例えば100円で作ったものを800円で販売した場合、原価率は12.5%になります。
しかし製品が売れ残ったり、材料が余った場合には原価率が割高になることを考慮しなくてはなりません。
一般的に適正な原価率は30%前後と言われています。
お酒の原価目安
生ビール
生ビールは20ℓの樽を約1万円で仕入れることができます。
中ジョッキ1杯が400㎖の場合、泡を考慮すると約300㎖の生ビールを入れれます。
20ℓの樽からは中ジョッキビール約65杯作れますから、仕入れ値の1万円を65杯で割って計算した約150円が1杯当たりの原価です。
仮に中ジョッキビールが1杯500円だとしたら、原価率は150÷500×100で30%です。
ハイボール
ハイボールは4ℓのペットボトルウイスキーを使い、約4000円で仕入れることができます。
ハイボール1杯に使うウイスキーの量を30㎖の場合、約130杯作れますから4000円を130杯で割った30円が1杯当たりの原価です。
さらに炭酸水やレモンなどの原価を加えると、1杯当たりの原価は50~60円程度になります。
日本酒
日本酒は銘柄によって価格が変わるため、一概に原価を出すことはできません。
仮に一升瓶(1.8ℓ)を3000円で仕入れた場合、一合(180㎖)の瓶を10本作れますから一合当たりの原価は300円です。
この一合瓶を700円で販売したら原価率は約42%となります。
生ビールやハイボールに比べると利益が出にくいお酒と言えます。
ワイン
ワインも銘柄によって価格が変わるため、一概に原価率を出すことはできません。
原価率が高ければ、それだけ利益を圧迫するのでお店側としても極端に安い価格設定ができないお酒と言えます。
一般的に原価率30~60%の範囲で価格設定することが多いため、仕入れ値の2~3倍が販売価格となるでしょう。
お店が生ビールを安く提供できる理由って?
徹底的なコストカット
生ビールを安く提供するということは、生ビールそのものの原価率も高くなるということです。
お店全体で利益を出すにはビール以外の部分でコストを削る必要があります。
例えば焼鳥専門店・全品均一価格の店は原価率の低い食材を使う・高いスキルを必要とする料理を提供しない・セントラルキッチンを使って調理の手間を省くことで人件費を抑えています。
広告費として利用する
生ビールを1杯だけ飲んで帰る人はあまりいません。
ほとんどの人が2杯目以降のお酒や料理を注文するので、生ビールの赤字は取り戻すことができます。
さらにお店が気に入ればリピーターになったり、口コミで新たな客を呼ぶかもしれません。
このように、生ビールの価格を下げることによって集客効果を生み出し、広告替わりに利用する店も多いです。
最後に
お酒の原価は、種類によって大きく異なります。
原価を知っておけば、居酒屋でどのお酒を頼むとお得なのか見分けられるかもしれません。
知識として話のネタにどうでしょう。
ではまた!